セブ島の地方文化研究【山岳地帯】

セブ島南部の山岳地帯に行ってきましたので、そのレポートです。

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 先日、セブ島では最も高い山(標高1072メートル)であるオスメニアピークに行ってきました。当初の目的はただの観光だったのですが、その山岳地帯に住む人々の暮らしぶりが気になり観光ついでに色々調査もしてきました。

 

 場所はこちら。セブ市内からは南バスターミナルからバスでDalagueteまで行き、そこからバイクに乗って山の方を目指します。

 

山の頂上付近からはこのような景色。(東側)

いやー非常に良い景色ですね。セブにもこんな景色を望める場所があるとは。こちらは山の中でもかなり奥の方で、家がポツポツあるのみ。そして大規模な農業のフィールドとなっています。主な生産品はキャベツとネギでした。(この2つで9割を占める)

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また反対側(頂上から西側)の景色はこんな感じ。地図を見てもらえればわかりますが、西側にはモアルボアルというビーチリゾート地があり、海を望めます。こちら側には農家の家や畑はあまり見られませんね。

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セブ島は細長い島なので、短辺であると反対側から反対側までクッキリと見ることが出来ます。

 

 

そして山頂の手前にはこのような小さな町があります。民家はあまり無く、商店・マーケットといった施設が中心です。ここが付近山岳地に住む人々の交易中心地でしょう。

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こちらが野菜市場。ヴェンダーはこの付近に住む農家の人達。バイヤーは都市部から巨大なトラックに乗って、買い付けにきています。スーパーマーケット関係者や、セブシティカルボンマーケットからもバイヤーがくるそう。

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そして驚くべきはその値段。こちらの巨大な籠(中身はキャベツ)で55ペソ(150円弱)

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この安さに衝撃を受けました。1kgあたり2.5ペソだそうです。見た感じ100個は無さそうですが、50くらいあるんじゃないでしょうか。いくら物価が安いとはいえ、この値段には驚きです。後日近所のスーパーマーケットで値段を確認したところ、1つで15-30ペソ程度でした(サイズによる)。いかに僕らが上乗せされた値段で物を購入していることを痛感します。

 

この山岳地帯に住む人達は、大量に作物を生産して都市部へ売ることにより生計を建てています。山なので観光客もいますが、バイクドライバー等を除けばよくてもお小遣い稼ぎ程度でしょう。日本では奥さんが農家を営み、男性は起業で働いているというパターンもありますが、こちらでは外部で働いてたりしている人はほとんどおらず、農家の人は家族単位で農業に専念しているそうです。

 

また町にはもうひとつマーケットがあります。まずは写真。

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先ほどのマーケットは、生産したものを外部に売る場所であるのに対して、こちらは外部から持ってきたものを売るマーケットです。工業製品・服・日用品・食品です。こういったマーケットは以前紹介したサリサリストアと同じで、都市部のスーパーマーケットで大量に購入して、少し金額を上乗せして売っています。都市部と比較すると収入は少ないでしょうから、現地の人はこういった工業製品を割高に感じるのではないでしょうか。

また、山岳地であるのにも関わらず魚も販売していました。上の写真で見た通り、山岳地といっても海が比較的近くにあるため輸送にはそんなに手間も時間もかからないのではないでしょうか。セブ特有の小規模なエリアに多様な環境があるという利点です。

 

収入面では農作物の輸出。そのお金で服や米など必要最低限のものを都市部から購入して、あとはその場にあるもので暮らす、という暮らしの図が見えてきます。豚、鶏、牛等の家畜も見ましたが規模からして、それは出荷用ではなく自宅用でしょう。豊富な野菜と家畜のタンパク質、あとは購入した米があれば食事は充分かもしれません。スーパーの湿気った野菜ではなく、とれたてを食べれるのは贅沢でもあります。

全てのものを自分たちで賄えることが出来るならばそれがベストですが、なかなかそうはいかないでしょう。それならば、自分たちの土地で賄えるものは最大限工夫をして、どうしても足りないものだけを外から買うという構図は現実的に考えて理想的です。そしてそれが余れば外に売りに出し、お金を得ることが出来ます。現在の日本は自分たちで工夫すれば賄えるものですら、やっていないのではないでしょうか。

 

今回は、日帰りであり当初の目的は観光だったので、そこまで深くの調査は出来ませんでした。機会があれば次は何日かかけて行きたいと思います。

 

最後に、やはりここで感じたのは東南アジア恒例である人々の活気です。山岳地帯、即ち田舎であるにも関わらずこの人々の活気、熱気と、そこで暮らし人々の笑顔です。僕はこれに惹かれて東南アジアに来たのだと思います。

 

【追伸 from Facebook】

この記事を書いてる途中で気づいたこと、セブの人たちは「自分たちで出来そうなものは工夫してやってみよう」という精神を持っているような気がします。知り合いのフィリピン人も「俺たちフィリピン人は発明家だ」と話していたのを思い出しました。今回の記事の食物生産もそうですが、家作り、テーブル作り、バスケットゴールもお手製のものをよく見かけます。彼らは何かを外から得る前に少し時間をおいて、それは自分たちでは本当にできないことなのか?と問います。「できるものは自分たち(自国)でやる」という精神はこれからの日本に必要ではないでしょうか。

 

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